2026年9月6日、第31回ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメントの最終日を観戦するため、岐阜県瑞浪市の「GOLF5カントリーみずなみコース」へ行ってきた。
ゴルフトーナメントを現地で観戦する面白さは、テレビ中継とはまったく違う。
選手との距離の近さ、ショットの音、ボールの弾道、選手同士の緊張感。そして、その日の展開を自分なりに予想しながら「誰について回るか」を決められる。
今回は、そんな現地観戦ならではの面白さを、最後のプレーオフまで存分に味わう一日になった。
ドライビングレンジもパッティンググリーンも、とにかく選手が近い
会場に着いて最初に感じたのが、選手との距離の近さだった。
ドライビングレンジもパッティンググリーンも観客から見やすく、トッププロが試合前にどんな準備をしているのかを間近で見ることができる。
都玲華選手や佐久間朱莉選手をはじめ、多くの選手の練習を見ることができた。
テレビで見ている選手が、ほんの数メートル先で普通にパッティングをしたり、ショットを打ったりしている。
これは現地に来なければ分からない感覚だった。
さらに、1番ティーと10番ティーのスタートも順番に見ることができ、予選を通過した多くの選手のティーショットをかなり近い位置から観戦できた。
一人ひとりスイングのテンポも違えば、球筋も違う。
ただ共通して感じたのは、「プロのショットは音から違う」ということだった。
最終日は「最終組の一つ前」について回ることにした
前日の第2ラウンド終了時点では、プロ2年目の福田萌維(めい)選手が通算11アンダーで単独首位。2位の鳥居さくら選手が9アンダー、さらに8アンダーに木戸愛選手、安田祐香選手、高野愛姫選手らが並ぶ展開だった。(GDOゴルフニュース)
もちろん福田選手の初優勝にも興味があった。
ただ、最終日に誰について回るかを考えたとき、個人的には「経験のある選手が追い上げて、優勝争いに絡んでくるのではないか」と予想した。
そこで選んだのが、最終組の一つ前。
木戸愛選手、安田祐香選手、高野愛姫選手の組だった。
結果的に、この選択が大正解だった。
序盤から、とんでもないバーディラッシュ
スタートすると、3人がいきなりスコアを伸ばし始めた。
特に前半は、まさにバーディの取り合い。
「誰か一人が抜け出す」というより、お互いがお互いを引っ張るようにスコアを伸ばしていく。
目の前で次々とバーディが決まるので、見ているこちらもだんだん興奮してくる。
その中でも木戸愛選手がどんどん首位との差を詰めていった。
木戸選手は2012年以来となるツアー2勝目を狙う立場。
もし優勝すれば14年ぶりという、非常に大きな意味を持つ優勝になる。
そう知ると、ますます「今日は木戸選手に勝ってほしい」と思うようになり、ほぼ最後までこの組について歩いた。
実際、木戸選手は前半だけで6つスコアを伸ばす猛烈な追い上げを見せた。安田選手、高野選手も前半だけで5つ伸ばし、首位の福田選手を追った。(日刊スポーツ)
それでも福田萌維が逃げない
ところが、途中でリーダーボードを見ると驚いた。
これだけ木戸選手たちがバーディを取っているのに、なかなか首位との差が縮まらない。
理由は単純で、福田萌維選手も伸ばしていたからだ。
福田選手も前半からバーディを重ね、首位を譲らない。
追う木戸選手。
逃げる福田選手。
自分は木戸選手の組を見ながら歩いているので福田選手のプレーそのものは見えていない。それでも、ところどころで確認するリーダーボードによって、後ろの組との「見えない戦い」がずっと続いているのが分かる。
これも現地観戦の面白さだった。
木戸愛が15アンダーでホールアウト。そして、まさかの展開
木戸選手は終盤まで優勝争いを続けた。
18番を迎えた時点でも福田選手との差は残っており、「最後にバーディを取って、あとは福田選手を待つ展開になれば」と期待しながら見ていた。
最終的に木戸選手はこの日「65」。
通算15アンダーまで伸ばしてホールアウトした。(ゴルフネットワーク)
それでもその時点では、「福田選手がこのまま逃げ切るのかな」と思っていた。
ところが、その直後だった。
リーダーボードを見ると、
「15アンダーで並んでいる」
何が起こったのか、最初は分からなかった。
あとで分かったのだが、福田選手は17番でトラブルとなり、ダブルボギー。17アンダーから一気に15アンダーまでスコアを落としていた。(Google)
先にホールアウトしていた木戸選手と並んだ。
「これ、プレーオフじゃないか」
会場の空気が一気に変わった。
雨の中、18番で始まったプレーオフ
正規18ホールを終え、福田萌維選手と木戸愛選手はともに通算15アンダー。
優勝決定は18番パー4でのプレーオフに持ち越された。(GDOゴルフニュース)
終盤には雨も落ちてくる。
コンディションも決して良くない。
それでも二人の勝負は決まらない。
1ホール目。
2ホール目。
そして迎えた3ホール目。
ここで木戸選手のティーショットがラフへ。
一方の福田選手はフェアウェイをキープした。
福田選手の残りは約90ヤード。
そこから放ったセカンドショットが、ピンのすぐ近くへ。
公式記録では約2.5mにつけた。(Google)
そして、そのバーディパットを決めた。
20歳、プロ2年目。
福田萌維選手のツアー初優勝が決まった。
和歌山県出身選手としても、JLPGAツアー初優勝となった。(Google)
木戸選手に勝ってほしいと思いながら見ていたので、当然悔しさもあった。
ただ、それ以上に、
「すごい試合を見たな」
という気持ちの方が大きかった。
最後の最後まで、どちらが勝つか分からない。
しかも、自分が朝から追い続けた木戸選手が、本当にプレーオフまで進んだ。
現地観戦として、これ以上ない展開だったと思う。
女子プロは、みんな本当に「輝いていた」
今回、朝の練習からスタート、そして優勝争いまで長い時間選手を見ていて、最後に強く感じたことがある。
女子プロゴルファーは、みんな本当に存在感がある。
単にゴルフが上手いというだけではない。
一打一打に集中する姿。
バーディを取ったときの表情。
ミスをしても次のショットへ向かう姿。
ギャラリーの声援に応える姿。
それぞれの選手に、それぞれのストーリーがある。
テレビでは「スコア」や「順位」として見ていた選手が、現地では一人のアスリートとして立体的に見えてくる。
「みんな輝いているな」
というのが、一日観戦した最後の感想だった。
次は、自分でこのコースを回ってみたい
GOLF5カントリーみずなみコースへ行ったのは今回が初めてだったが、コースそのものの雰囲気も非常によかった。
第31回大会は9月4日から6日まで、2年ぶり20回目となる同コースで開催された。(ゴルフ5レディスプロトーナメント)
トーナメントとして見るだけでなく、
「ここを自分でラウンドしたらどんな感じなんだろう」
という興味も湧いてきた。
今日プロたちが打っていた場所から、自分ならどんな球を打つのか。
グリーン周りはどれだけ難しいのか。
今日歩いた18ホールを、今度はクラブを持って歩いてみたい。
そして何より、今回の観戦で女子プロゴルフの生観戦がかなり好きになった。
木戸愛選手の猛烈な追い上げ。
福田萌維選手の土壇場でのダブルボギー。
そして、プレーオフ3ホール目で決まった初優勝。
朝の練習から最後の一打まで見届けた、忘れられない一日になった。
